光の情景画家と称される、笹倉鉄平さんの個展が上野の森美術館で始まりましたので行ってきました。
1月23日(土)から2月1日(月)までですのでぜひお早めに行ってみてください。
公式サイトはこちら↓
画業30周年記念
笹倉鉄平さんはグラフィックデザイナーとしてそのキャリアをスタートされ、企業向けのイラストレーターを経て1990年から画家としての創作活動を開始されたのだそうです。
今回は画業30周年記念の個展ということで上野の森美術館で開催されています。
販売会を兼ねた版画の展示会は毎年開催されていますが、美術館での個展は久々とのこと。数多くの原画が観られるとのことでとても楽しみにしていました。
価格:5,500円 |
外壁にはポスターにもなった新作が
上野の森美術館の入り口左手の外壁には毎回開催中の展覧会についての大きな看板があります。今回は個展のポスターになっている笹倉鉄平さんの作品が大きく描かれていでますので忘れずに写真に収めてきました。
こちらは2020年新作の「優しく時は流れて」、笹倉さんらしい港町を描いたブルーが印象的な作品です。展覧会への期待が高まります。
美術館の中へ
ではいよいよ美術館の中に。
レセプションでは手指の消毒と検温をしてからチケットを購入します。
閉館近くの時間だったせいか人はかなり少なく数組ほどでした。密になる心配をしなくて良いのはありがたいです。
なお、荷物を預けられるロッカーなどはないそうなのでコートを着たまま観て回らないといけないののが少し不便です。
欧米の風景を描いた作品
今回は3つの展示室に分かれていて1回から順に観ていきます。
1階は笹倉鉄平さんらしい欧米の街並みが描かれた作品が春夏秋冬の順に並べられています。
花が咲き乱れる春の情景
賑やかな海辺を描いた夏の情景
色彩豊かな秋の情景
雪景色に暖かさを感じる冬の情景
実在したりしなかったり、絵になる風景の中にはそこで生活する人が描かれていて、犬や猫がゆったりとした時間を過ごしています。
日常を切り取ったような作品はどれも優しい視点に溢れていてご本人のお人柄が感じられます。
また作品には今回の展示に向けてご本人が綴られたキャプションが添えられてらいます。作品に込められた想いが一行の言葉や時には文章で綴られていてより作品を感じることができます。
日本の風景を描いた作品
2階には日本の風景を描いた作品が展示されています。
笹倉鉄平さんの作品では日本を描いた作品は少ないのかなと思っていたのですが、京都や浅草など日本らしい街並みの絵が沢山あるのですね。日本の四季を感じられる作品にはまた違った趣きがあります。
過去の展覧会ポスターやイラスト作品
最後の部屋には過去の展覧会のポスターとイラストレーター時代の作品がありました。
笹倉鉄平さんのイラスト作品を観たのは今回が初めてですが、また違った一面を知ることが出来ました。
風景画では印象派など光の描き方に拘った手法が見てとれますが、イラスト作品はまた違ったアプローチの表現をされていました。線や色使いが洗練されていて、なんとなくロートレックやルドンの影響を受けているのかなと感じました。どれも素敵で、正直かなり好きな感じなのでイラスト作品の作品集もあったら欲しいですね。今回の展示作品を掲載した画集にも載っていなかったので残念です。
大好きな作品の原画が観られる
1999年の作品「スター・アトラス/南西図」、スター・アトラス/北西図」は最初に笹倉鉄平さんを知った作品で当時一番有名な作品だと思います。ヨーロッパの街並みと空に浮かぶ星座が幻想的で印象的です。当時すでにジグソーパズルやカレンダーが発売されていましたがこの2作品はかならず入っていたように思います。
2010年の作品「エデルシュタイン村へ」という作品が特に好きです。笹倉さんらしい港町も海も建物もなく、画面の大半に雪原が描かれています。短調になりそうな白一色の景色なのに雪原に反射する光が見事に表現されていて、歩みを進める先にある建物が暖かそうで作品の中に引き込まれてしまう感覚になります。ずっと時間を忘れて観ていられる作品です。
2017年の作品「両手ひろげて」は曇り空にようやく差した晴れ間を描いた作品とのことです。イングランドのコーンウォール地方にある小さな港町のパドストウ(Padstow)という場所で描かれた作品です。この原画を個展で観て、初めて行くイギリス旅行でなんとかこの町に行けないかなと長距離バスの時刻表を調べたりしました。(あまりにも時間がかかるので断念しました。)
展示作品が掲載された画集
ミュージアムショップにはポストカードとオリジナルのクリアファイル、画集を販売しています。
今回展示されている作品が掲載された画集がありましたので購入しました。今回、展示作品に添えられてらいた笹倉さんの作品に対するキャプションが掲載されているのが嬉しいです。ただ展示されている作品全てが載っているのではないらしくその点は少し残念です。
まとめ
美術館を出ると入り口の左手の外壁に今回の個展の看板があります。今回の個展のポスターになっている作品が大きく描かれているので忘れずに写真に収めてきました。
今回の個展は案内があった秋頃からずっと楽しみにしていたのですが、開催前に東京都を含む地域に自粛要請が出てしまいました。笹倉さんご本人も個展に関する報知がかなり控えめなご様子から、いまこのタイミングで開催して良いものかという迷いもあったことと推察します。
術館なら人と話すこともなく、リスクは低いと思いますし、実際館内は密になることもなかったので行って良かったと思います。
まだまだ長引きそうなコロナとの生活の中で、リスクを回避すべきこと、大丈夫なこと、各自がしっかり状況を判断することが必要なように思いました。
価格:880円 |